NFT転売は悪いこと?|仕組みとクリエーターへの還元をやさしく解説
「転売」と聞くと、あまり良くないイメージを持つ方が多いかもしれません。一方で、NFTの世界では「転売(二次流通)がクリエーターの応援になる」と言われることがあります。この記事では、そもそも一般的な転売とNFT転売は何が違うのか、なぜNFTの二次流通がクリエーターへの還元につながるのか、その仕組みを中立的に整理します。稼ぎ方の指南ではなく、考え方を理解するための解説記事です。
※NFTにおける「転売」は「二次流通」とも呼ばれますが、この記事では分かりやすさのため「転売」に統一しています。
最終更新日:2026年6月18日(暗号資産・NFTの制度・税制や、各サービスの仕様・手数料は変化します。原則として四半期ごと、および大きな制度・手数料変更があった際に見直します)
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この記事の対象読者と、慎重になってほしい方
この記事は「NFTの転売って悪いことなの?」という素朴な疑問を持つ、暗号資産・NFTの初心者向けです。一方で、未成年(国内取引所の口座開設は原則18歳以上)、生活資金に余裕のない方・損失に耐えられない方、ご高齢で複雑なリスクの把握が難しい方は、無理に取引を始める必要はありません。本記事はあくまで仕組みの解説です。
困ったとき・被害に遭ったときの相談先(先に控えておいてください):「必ず儲かる」などの勧誘・詐欺被害は消費者ホットライン 「188」(消費者庁)、詐欺・トラブルは警察相談専用電話 「#9110」、借金など法的トラブルは 法テラス(0570-078374) へ。
そもそも「転売=悪いこと」と言われるのはなぜ?
転売って、なんとなく悪いことってイメージがあります。でも、何がそんなに問題なんでしょう?
ここで言う「悪い転売」は、人気商品を買い占めて高く売る従来型の転売のことです。代表的な問題点を3つ整理してみましょう。
この記事で扱う「従来の転売」とは、人気のゲームやキャラクターグッズ、ライブチケットなどを大量に確保して、定価より高い価格で売る行為を指します。この従来型の転売には、よく次の3つの問題が指摘されます。
問題①:作者(クリエーター)に利益が入らない
最も大きな問題とされるのが、作者に追加の利益が入らない点です。
転売されるほど人気の商品を生み出しても、作者が受け取れるのは最初に売れた1回分の利益だけです。商品が転売されるたびにお金は動いていますが、その利益は作者には入りません。さらに、中古が出回ることで新品の売上が減る面もあります。これが「クリエーターが正当に報われにくい」と言われる一因です。
問題②:ニセモノ(偽造品)の可能性がある
正規の店舗で買えば本物である可能性は高いですが、個人間で転売された商品は、それが本物かどうかを買い手が見極める必要があります。とくにネット取引では現物を確認できないため、判断はより難しくなります。
問題③:状態が良くない可能性がある
中古品や転売品は、保管状態が悪かったり、流通の過程で劣化していたりすることがあります。結果として、作者だけでなく購入者も損をしてしまう可能性があります。
このように、従来の転売には「作者が報われない」「真贋が分かりにくい」「品質が保証されない」という構造的な問題があるとされてきました。
NFT転売(二次流通)は何が違う?
NFTの転売だと、その問題が解決されるってことですか?
すべてではありませんが、特に「作者に還元される仕組み」を技術的に組み込める点が大きな違いです。順番に見ていきましょう。
NFT(Non-Fungible Token)は、ブロックチェーン上に記録された唯一無二のデジタルデータです。「誰が発行し、誰が所有しているか」を記録・追跡できる点が特徴で、デジタルアートや音楽、ゲームアイテムの所有証明などに使われています。
このNFTを二次流通市場で売り買いすることを、本記事では「NFT転売」と呼びます。従来の転売と比べて、次のような違いがあります。
| 項目 | 従来の転売 | NFT転売(二次流通) |
|---|---|---|
| 転売時のクリエーターへの還元 | ほぼなし | ロイヤリティとして還元され得る |
| 真贋の判別 | 目利きが必要 | 識別情報で確認しやすい |
| 状態・劣化 | 劣化しうる | デジタルのため劣化しない |
| 取引履歴 | 追いにくい | ブロックチェーンで追跡可能 |
それぞれの違いを、もう少し詳しく見ていきます。
NFTの二次流通がクリエーターの応援になる仕組み
「転売されると作者にお金が入る」って、どういう仕組みなんですか?ねずみ講みたいで少し怖いです…
仕組みはまったく別物です。ロイヤリティという「再販時に作者へ還元する設定」を、取引のプログラムに組み込めるんです。
ロイヤリティ(二次流通での還元)とは
NFTの取引はブロックチェーン上で行われ、発行者や取引履歴が記録されます。この仕組みを使い、多くのNFTマーケットプレイスでは「転売されたときに、売却額の一定割合を作者のウォレットへ送る」というロイヤリティの設定を組み込めます。
これにより、作品が転売されるたびに、その一部が作者に還元され得ます。人気が出て何度も転売されるほど、作者への還元の機会が増えるという、従来の転売にはなかった構造です。仕組みとしては、決められたルールに沿って自動で分配されるだけで、出資者を増やして配当する「ねずみ講」とは根本的に異なります。
ファンにとっても「応援」になる
この仕組みは、買い手の視点でも意味を持ちます。NFTを購入したり、SNSで作品を紹介して買い手を増やしたりすることが、結果的に作者への還元(応援)につながり得るからです。「好きな作品を持つこと」が「作者を直接応援すること」になりやすい——これがNFTの二次流通が前向きに語られる理由の一つです。
【重要】ロイヤリティは「常に保証される」ものではない
ただし、ここは正確に理解する必要があります。ロイヤリティは、ブロックチェーンの仕組みによって自動的に必ず守られるものではありません。
実際に、2023年以降、大手マーケットプレイスのOpenSeaはロイヤリティの強制適用を段階的に見直し、購入者が支払う割合を選べる(あるいはゼロにできる)方向へ方針を変えました。プラットフォームによってロイヤリティの扱いは大きく異なり、任意化・無効化される動きもあるのが実情です。
補足: 各プラットフォームのロイヤリティ方針は変更され続けています。最新の扱いは必ずOpenSeaなどの各公式情報でご確認ください。「NFTなら作者に必ずお金が入る」と断定はできない点に注意してください。
購入者・クリエーター双方のメリット
クリエーターに還元される以外に、買う側にもメリットはあるんですか?
はい。本物だと確認しやすいことや、劣化しないことなど、買い手側にもいくつか利点があります。
本物であるという証明がしやすい
NFTにはブロックチェーン上で識別情報(コントラクトアドレスやトークンID)が割り振られます。これにより、専門的な目利きの技術がなくても、公式が発行した本物かどうかを照合しやすくなります。同名・似た見た目の模造品が出回っていても、識別情報を確認することで見分けやすいのが利点です。
デジタルのため劣化しない
NFTはデジタルデータなので、物理的な中古品のように劣化しません。作成された状態のまま保存され続けます。さらに、所有者の変遷や来歴(誰が持っていたか)といった「物語」が積み重なることで、付加価値が生まれる場合もあります。
| 立場 | 主なメリット |
|---|---|
| クリエーター | 二次流通でも還元され得る/真贋を証明しやすい/ファンと継続的につながれる |
| 購入者(ファン) | 本物を確認しやすい/劣化しない/購入が作者の応援になり得る |
ただし、これらは「そういう仕組みがある」という話であって、価値や利益を保証するものではありません。次の章で注意点も確認してください。
NFT転売で誤解されやすい点・注意点
いい話ばかりに聞こえますが、気をつけることはないんですか?
あります。ここを誤解したまま始めると損をしやすいので、冷静に押さえておきましょう。
NFT転売は「作者を応援できる新しい仕組み」である一方、誤解されやすい点や注意すべきリスクもあります。
- 「必ず儲かる」わけではない: 購入時より高く売れる保証はありません。人気が落ちれば値下がりし、買い手がつかず売れないこともあります。投機目的での売買は、大きな損失につながる可能性があります。
- ロイヤリティは保証されない: 前述のとおり、プラットフォームの方針変更でロイヤリティが任意化・無効化されることがあります。「作者に必ず還元される」と断定はできません。
- 手数料(ガス代)がかかる: イーサリアムなどのネットワークでは取引手数料がかかり、時間帯によっては高額になることもあります(最新の状況はEtherscan ガストラッカーなどで確認できます)。
- アカウント・秘密情報の管理が重要: ウォレットのシークレットリカバリーフレーズ(復元用の単語列)を失うと、資産にアクセスできなくなります。スクリーンショットやクラウド保存は避け、安全に管理してください。
- 詐欺が存在する: 偽サイト、フィッシング、なりすましDM、無料配布を装った詐欺など、手口は多様で変化し続けます。「限定」「確実に上がる」「今すぐ買わないと損」といった煽り文句には特に注意してください。
- 取引履歴は消えない: ブロックチェーンの性質上、過去の取引は記録として残り続けます。これは透明性というメリットでもあります。
これらの注意点は、楽観的な期待と同じ重さで受け止めてください。
税務について: NFTの売却益は、日本では原則として「雑所得」に区分され、確定申告が必要になる場合があります(出典:国税庁)。税務処理は必ず税理士または国税庁の公式情報でご確認ください。
どこで売買できる?(仕組みの理解の補足)
NFTの売買は「NFTマーケットプレイス」で行われます。世界最大級のものにOpenSeaがあり、世界中の利用者と取引できます。海外サービスに不安がある場合は、国内事業者が運営するマーケットプレイスも存在します。
一般的な流れとしては、国内の金融庁登録済み取引所で暗号資産(イーサ=ETHなど)を用意し、ウォレットに送って、マーケットプレイスで売買するという順序になります。本記事は仕組みの解説が目的のため、具体的な操作手順や口座開設の詳細は割愛します。実際に始める場合は、各サービスの公式情報を確認し、少額から無理のない範囲で検討してください。
よくある質問(FAQ)
NFTの転売は、結局「悪いこと」なのですか?
従来の買い占め型の転売とは性質が異なります。NFTの二次流通には、作者への還元(ロイヤリティ)を組み込める仕組みがあり、「作者を応援する転売」になり得ます。ただし、ロイヤリティが必ず守られるわけではなく、投機的な売買にはリスクもあります。「仕組み上は前向きにできる余地がある」と理解するのが正確です。
NFTだと作者に必ずお金が入るのですか?
必ずではありません。ロイヤリティはマーケットプレイスのポリシーに依存し、近年は任意化・無効化される動きもあります。また、転売そのものが起きなければ還元も発生しません。「必ず入る」という説明を見かけたら、鵜呑みにせず公式情報を確認してください。
ロイヤリティはねずみ講のような仕組みですか?
異なります。ねずみ講は新規参加者の出資で先行者へ配当する仕組みですが、NFTのロイヤリティは「再販が起きたときに、あらかじめ決めた割合を作者へ還元する」という設定にすぎません。出資の連鎖で利益を生む構造ではありません。
NFTは劣化したり、ニセモノが混ざったりしませんか?
デジタルデータのため物理的な劣化はありません。模造品が出回ることはありますが、コントラクトアドレスなどの識別情報や、マーケットプレイスの認証バッジを確認することで、本物かどうかを見分けやすくなっています。
「NFTを買えば儲かる」と勧められました。信用していいですか?
「必ず上がる」「今買わないと損」といった断定的な勧誘は、詐欺や誇大表現の可能性が高く、信用できません。NFTの価格は下がることもあり、誰も将来を保証できません。不安なときは消費者ホットライン「188」などの公的窓口に相談してください。
まとめ
ここまで読んだら、なんだかできそうな気がしてきました!
その意気です。あとは小さな一歩から。応援しています!
従来の転売には「作者に還元されない」「真贋が分かりにくい」「劣化する」といった問題がありました。NFTの二次流通は、ロイヤリティによって作者への還元を組み込めたり、本物であることを証明しやすかったり、劣化しなかったりと、これらの問題を技術的に和らげられる仕組みを持っています。だからこそ「NFTの転売は作者の応援になる」と語られるのです。
一方で、ロイヤリティは常に保証されるものではなく、価格は下落することもあり、詐欺や手数料といったリスクも存在します。仕組みの良い面だけでなく、こうした注意点もあわせて理解しておくことが大切です。
まず仮想通貨の全体像を知る → 仮想通貨の始め方ロードマップ
どの取引所で始めるか比べる → 国内取引所の選び方・比較ガイド
NFTの買い方を見る → OpenSeaでのNFTの買い方・出品ガイド
- アンケート: なし
- 一次情報の出典: 国税庁・金融庁などの公開情報、各マーケットプレイスの公式情報
- 記事作成時期: 2026年6月
【免責事項】 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務アドバイスではありません。NFT・暗号資産の取引には価格変動・詐欺・操作ミスなどのリスクが伴います。判断はご自身の責任で、余剰資金の範囲内で行ってください。税務については国税庁の公式情報や税理士にご相談ください。掲載情報は2026年6月時点のものです。


